ポトッ。ポトポトッ。
今年もヤラブの実がたわわにみのった。
トンッ。パシッ。パシッ。
オバアがトンカチで種を割る。
ザザッ。コロコロ。ナデナデッ。
丁寧に触れると種が喜ぶ。
ジィーーーー。サァーー。
太陽と風が種を乾かす。ゆっくり。
ギュゥーッ。ジュッワー。
あせらず搾る。大事に搾る。
テッ。トットットットッーーー。
黄金色の雫が満ちる。
これがnaureのタマヌオイル。
沖縄・宮古島の北に位置する小さな離島、池間島でタマヌオイルを製造しています。
ヤラブの木、と申します。
「ヤラブの木のこと」へ
Soft is beautiful
ちいさく ゆっくり やわらかい
タマヌオイルは、テリハボク(宮古では“ヤラブ”と呼びます)の種子をじっくりと搾って作られる植物オイルです。ハワイやタヒチなど南太平洋の島々では、伝統的な皮膚疾患の治療薬として利用されてきました。搾りたてのオイルは黄金色で濃厚なナッツの香りがします。角質層にすっと浸透するためべたつき感がなく、その優れた保湿・抗炎症・抗酸化特性から、近年多くの注目を集めています。
テリハボクは年に2回、春と秋に実をつけます。樹木の花や実を摘んで使用するのではなく、自然落下した種子を集めますので今ある自然に負荷をかけません。
集めた種子は、外側の堅い殻を割って、中の仁を取り出します。雨で畑に出られない日、昼下がり、公民館に集まっておしゃべりしながら・・・80~90歳の池間の元気なオカアたちが中心となって、出来るときに、好きな場所で種の殻を割ってもらいます。
割った種は、何度も何度も良質な種だけをハンドピッキングして、数か月間、太陽と風の力をかりて、じっくりと乾燥させます。搾油は直圧式(玉搾り)によるコールドプレス製法にこだわって、ゆっくり時間をかけて非加熱のオイルを抽出しています。
わたしたちのタマヌオイルは、ちいさく、ゆっくりと作られます。それが肌にやさしく、自然も人の暮らしも傷つけない“やわらかさ”をもつnaureのタマヌオイルです。
琉球列島の島々には、厳しい資源制約のなかで巧みに暮らしの糧を次の世代につなげていく様々な知恵がありました。琉球王府時代から島を守ってきた「海垣(うみがき)=防風防潮林」などはその典型です。このような遺産を継承しつつ、今日的な課題解決のヒントにしたいと考えています。
タマヌオイルのプロジェクトは、もともとこの「海垣」の再生事業から生まれたもので、現在も池間島の共有地にテリハボクの植樹・育成を続けています。台風や塩害から島を守ると同時に、将来の種の共同採取地(里山)の整備という2つの役割があります。
このタマヌオイルの製造過程で、自立した暮らしが難しくなっていく人々にも担える仕事をつくりだせるならば、だれひとり取り残さない地域社会を支える非常に大きな一歩となります。
ちいさな島にもこれだけの可能性があるという事実は、未来を担う子どもたちが足元に目を向け、希望の種を見つけ出す学びの一助となるかもしれません。
私たちが目指すのは、よそから奪うことなく、大切なものを壊すことなく、ユー(富、豊穣を指す池間の言葉)を分かち合っていける未来です。そのために、島の自然に、人々の暮らしに、子どもたちの学びに対して、未来投資を行っています。
未来へつなぐ
PRODUCT商品のご案内
naure(ナウレ)
「ユーヤ ナウレ」。宮古・八重山の歌謡に繰り返し登場するフレーズです。
豊作への願い「豊かに実れ」、災いや不正のない世を願う「世や直れ」。
「naure」はわたしたちの願いです。
今年もヤラブの実が豊かにみのりますように。ユーヤ ナウレ。
美しい島の暮らしがいつまでも続きますように。ユーヤ ナウレ。
あなたの素肌が健やかに輝きますように。ユーヤ ナウレ。