ヤラブの木のことAbout us

奪わず、壊さず、分かち合える未来

わたしたちの活動は、“分かち合える喜び”を大切に考えています。これは、島に昔から受け継がれてきた、獲ってきた海産物や初物の穀物をみんなと分かち合うメンタリティーです。種割りをしてくれる方々は、たくさんの種にいつも魚や野菜を添えて運んできてくれます。

みんなで造成したヤラブの森は、徐々に島の「コモンズ」へ成長して共同採取地となります。前時代のように、よそから資源を奪うことなく、大切なものを壊すことなく、ユー(富、豊穣を指す池間言葉)を分かち合っていける社会を目指して、わたしたちはヤラブの木を立ち上げ、活動を続けています。

出発点

わたしたちは2012年から、池間島で島おこし/地域づくりのお手伝いをさせて頂いてきました。その中で、島のお年寄りからとても多くのことを教えていただきました。それは、消えゆく島の言葉や唄であったり、伝統的な漁法や農法であったり、自然の恵みをいただく知恵や経験に培われた手業、懐かしい光景や想い出の味などでした。それらをただ記録するのではなく、暮らしの中に「埋め戻していく」こと、それが私たちの目指す仕事でした。民泊のコーディネート、島こよみの作成、コミュニティ奨学金の創設、しま学校運営などなど、実にたくさんの取り組みをしてきました。

しかし、6年以上も島おこしという仕事をさせて頂いてきましたが、島に仕事を作り出すこと、若い人が増えるような仕組みが何もできておらず、その原因を自問する日々が続きました。島外出身のわたしたちは徹底的に裏方にまわり、主人公である島の人間が先頭に立つ取り組みをサポートするのが役割と考えてきました。じつは、そのような姿勢自体、自らリスクを負うことなく傍観・待っているだけの無責任な立場だったと気づかされ、強く反省したのでした。

第一子の出産も一つの契機となりました。子どもが健やかに育つ社会に対して果たすべき責任を考えた時、ささやかで小さくとも一歩踏み出すタイミングなのだと考えました。

この頃、海岸林の再生を通じて島の環境改善を図る仕組みを試行錯誤していました。その植林にもちいる在来樹種として、島ではヤラブと呼ぶ伝統的な樹木の苗木を育てていましたが、この種子からオイルが採れ、美容業界から注目を集めつつある素材であること、国内ではまだ商品化されていないことなどから、事業化のアイデアが生まれました。タマヌオイルの製造が島に仕事を作り出し、同時に環境保全や地域福祉など島の課題にアプローチするこれまでにない地域デザインが見えてきたのです。

池間島のこと

池間島は、沖縄県宮古島の北に位置する周囲10kmほどの小さな島です。明治末期からカツオ漁で栄えた「インシャ(海人)」の島です。島民と島から分村した地域の住民は、独自の文化や言語を有する「池間民族」と呼ばれています。

島の周囲には自然海岸が多く残され、海の美しさは世界有数です。島の北15kmには大潮の時期にだけ出現する幻の大陸「八重干瀬(ヤビジ)」があります。この豊かなサンゴ礁は、島人たちにとって大切な漁場であると同時に、ダイビングの有数のポイントとなっており、毎年大勢のダイバーたちが訪れます。

旧暦の5月4日には、ハーリー(爬竜船競漕、池間では“ヒャーリクズ”)が水浜海岸で盛大に行われます。島の若い人たちはもちろん、80歳を過ぎたオバアも張り切って船を漕ぎます。旧暦7~8月のきのえうまの日から3日間開催されるミャークヅツ(豊年祭)は、池間島最大のイベントで、遠く離れて暮らす島出身の親戚縁者も毎年帰省して大変盛り上がります。このように、豊かな海や自然の恵み、オハルズ御嶽をはじめとする多くの聖域と、伝統・祭祀を護り続ける心の文化を大切にする島です。

この美しい島も、いま大きな問題に直面しています。カツオ漁の最盛期には2000名を数えた人口も、現在(2020年12月時点)では550名にまで減少し、高齢化率は50%に迫っています。1992年の池間大橋の架橋でも人口の流出は止まらず、児童生徒減少に伴う学校の統廃合問題や医療サービスの縮小、可視化されにくい貧困など、過疎高齢化にともなう様々な課題を抱えています。

会社概要

屋号
ヤラブの木(Yarabu Tree)
代表
三輪智子(ミワトモコ)
創業
2018年3月29日
業務内容
タマヌオイル等の製造・販売、各種企画、地域づくり全般支援
住所
沖縄県宮古島市平良字池間266
TEL
0980-75-2501
FAX
0980-79-8246
E-mail
yarabutree@gmail.com

ヤラブの木スタッフ

代表
三輪智子

1987年生まれ。神奈川県南足柄市出身。

慶応義塾大学総合政策学部卒業後、認定NPO法人アサザ基金(茨城県)にて霞ヶ浦の水源地保全事業や小中学校での環境教育事業に従事。2012年より沖縄県宮古島に移住し、NPO法人いけま福祉支援センターにて島おこし事業に従事。

2018年に「ヤラブの木」を設立し、池間島産タマヌオイルの製造を開始。

2019年にコスメブランド「naure(ナウレ)」を立ち上げる。2児の母。

事務長
三輪大介

1970年生まれ。福岡県福岡市出身。

経済学博士。故宇井純にあこがれ沖縄へ移住。蔡温の時代から受け継がれる共同体の資源管理がライフワーク。

主な著書『琉球列島の環境問題』(高文研 編著)、ほか。

マネージャー
與那嶺輝彦

1955年、池間島生まれ。

無農薬・無化学肥料で島バナナやパッションフルーツ、島らっきょう、月桃などを栽培。

大工、左官、船の修理などなんでもこなす。ヤラブの木の原料生産マネージャー。

受賞歴・掲載記事

2020年2月
宮古島市のエコアクション・カンパニー シルバースター認定
2020年2月
エコの島コンテスト「環境共生島おこし賞」受賞
2021年2月
サスティナブルコスメアワード 審査員賞受賞
2021年2月
ソーシャルプロダクツアワード2021 ソーシャルプロダクツ賞受賞

掲載誌

雑誌

2019年
「池間島ならではの商品開発にチャレンジ」『島へ.』108号、海風舎、40ー45
2019年
「太陽と海風が育てたヤラブの実から生まれた”奇跡のオイル”前編」『ぎょぶる』8号,北九州・魚部,64-65
2019年
「太陽と海風が育てたヤラブの実から生まれた”奇跡のオイル”後編」『ぎょぶる』9号,北九州・魚部,94-95
2020年
「タマヌオイル」『Soaper’s Life』2020 vol.3、一般社団法人 ハンドメイド石けん協会、27-28
2020年
「植物素材と地域活性化ー地域と植物と化粧品の新しい関係」『aromatopia』162号、フレグランスジャーナル社、8-12

書籍

2019年
『社会派化粧品』萩原健太郎、キラジェンヌ、132-137
2020年
『海に生きる島に祈る』加藤久子、ボーダーインク、253ー265